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原子炉科学研究所視察をしました

8月23日に、日本診療放射線技師会上田会長と一緒に、①原子炉科学研究所(○研究用原子炉JRR3)の炉室、展示室、ビームホールとRI製造棟(医療用)の視察をしました。その後移動して大洗研究所(○高速原子炉の常陽)も視察をしました。9時30分〜16時までの長時間の視察、説明、意見交換でしたが、大変に有意義な時間でした。研究所では、中性子ビームの実験、原子力燃料や材料の照射試験、ラジオアイソトープ(RI)やシリコン半導体の製造など、私達が想像していた以上に、多くの成果がありました。加えて、高速実験炉の常陽は、安全性の高いナトリウム冷却炉でありJRR3よりもエネルギーも高く、高速で多くの中性子を作る事が可能との事です。そのおかげで、医療現場で切望されているRI治療薬、例えば前立腺がん治療薬として力を発揮するとされるアクチニウムなどの製造も可能との事でした。今後、治療が困難と言われる臓器のがん治療として大きく期待したいと思います。また、RI診断薬のテクネチウムの製造がJRR3も常陽でも製造可能との事で、現在100%輸入に頼るテクネチウムの3割以上が国内製造の可能性も高いとの事でした。これは、安定した供給により、患者さんが安心できる環境作りと、貿易赤字の解消にも繋がります。しかし、現在、研究者が不足しており、特に放射線化学の研究者不足が深刻との事です。期待する成果を出すには原子炉の数もまだ不足の状況です。原子力規制をしっかりと守り、安全性を守り、日本の原子力の技術を更に高める環境作りは日本の将来においてとても重要だと、視察をとおして感じました。マイクロソフト社のビルゲイツ氏も日本の原子炉技術を、彼の会社のテラパワー社で使う事も聞いており、改めて日本の原子力技術の素晴らしさに感動しました。この度はお忙しい中、原子炉研究所、JRR3、常陽の対応して下さった方々には感謝致します。ありがとうございました。